東京の郊外に於いても、この時節を迎えると公園、川沿いの藤棚で、
薄紫色の花が咲き、カーテンのように垂れ下がり、微風が吹くと微かに揺れている・・。
私は旅先で、道路沿いの丘陵などの常緑樹、若葉になった落葉樹の中で、
ひっそりと咲いている藤の花を観かけた時、
何かしら幸せな気持ちになれる。
人の手に余りかけない程度のこうした藤の花に巡り逢えると、
周囲の情景の中、藤の薄紫色の彩りが季節の移ろいを教示して貰い、
今年もこの時節が来た、と心の中で安堵したりするのである。
私は藤棚に咲く華麗な彩りより、
ここ30年前頃から、道路際にさりげなく咲く薄紫色の樹木に魅了されている。